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2016年11月授業報告(2年生~中級コース)

Gels.画像5

11月12日・13日

今月は、「10月の国際セミナーの振り返り(復習)」「9月に学習したレメディの復習」「今月のレメディ学習(3つ)」「オルガノン学習§149~161」を学びました。(写真はレメディ学習で学んだGels.)

 
「オルガノン学習§149~161」
今月のオルガノン学習のポイントは、SRPです。

SRPとは次のような言葉の頭文字です。

S=StrangeまたはStriking(奇妙な・際立った)
R=Rare(まれな)
P=Peculiar(特別な)

ホメオパシーのレメディを選ぶ際、その人の際立った点(個性的な症状)に注目しなさいということです。レメディ選びをする前に、まずは、人を充分に理解する必要があります。正しい理解は、綿密な観察からしか得られません。観察する注目点は「その人らしさ=個性」です。「個別化」することでしか、良いレメディを見つけることはできません。
これがホメオパシーという自然療法の最大の特徴です。

ハーネマンは、その人の症状の全体像をよく観なさいと述べると同時に、このSRP=際立った点(症状)を特に大切に観なさいとも述べています。SRPは全体像の「おへそ」のようなものです。このSRPは誰にでもありますが、本人には見えにくいというのが通例です。なぜなら、人はだれでも自分は普通だと思い込んでいるからです。

 
「レメディ学習」

今月は、Bry.Chin.Gels.の3つを学びました。

Bry.は、ウリ科の植物で、ゆっくりと成長する蔓(つる)植物です。塊根に水を貯え、砂漠で生息しています。砂漠という植物にとって過酷な環境下で、一所懸命根に水を蓄えてじっと耐えて生きています。その生きざまが、このレメディの特徴とつながっています。

このレメディのSRPは、全体的な乾燥症状です。喉は渇き、皮膚も渇いています。関節なども潤滑液が足りないかのように、しばしば渇いたような痛みを感じます。リウマチ症状にもよく利用されて来ました。もう一つのSRPは動きによって症状が悪化することです。
精神面でも「渇き」が見られます。財布の中身も渇いていて、お金を貯めたい・貧乏が怖いタイプの人です。お金の元になる「仕事」の話ばかりするのが、この人の精神面でのSRPです。お金はこの世で生きる人間にとっての「いのちの水」です。

 
Chin.は、ハーネマンが、ホメオパシーを発見した記念碑的なレメディです。ハーネマンはマラリアの特効薬キナ皮がマラリアに似た症状を引き起こすことに気が付きました。
似た症状を引き起こすものがその症状を癒すというホメオパシーの基本原理はこの植物との出会いから始まりました。

原材料や歴史的な経緯を皆さんにお伝えしてから、具体的なレメディ学習に入りました。
このレメディは、元々ハーネマンが自ら体験したような身体症状~悪寒・発熱・下痢・脱水~と周期的な症状がSRP的な特徴です。
全体的なタイプとしては、芸術的な人にマッチします。五感が超敏感で、あらゆる点でベストなものを求めようとします。些細なタッチを嫌い、強い圧迫を好みます。人間関係においても表面的なものではなく深い関係性を求めます。敏感すぎる感覚と弱い身体の状態から、被害者的な妄想を持ちやすい面もSRP的な特徴です。

 
Gels.は、イエロージャスミン~マチン科の常緑蔓性低木~を原料とします。
根や葉に含まれる毒性物質をそのまま摂取すると筋肉に麻痺症状が起きてきます。

このレメディは、風邪やインフルエンザの際に、しばしば利用されて来ました。まるで身体が麻痺したように動けなくなるようなインフルエンザ様の症状に、ピッタリです。
高熱が出ていて、顔が赤く、身体が重くだるい。光はまぶしく感じて、頭痛も重いような痛みです。高熱にも関わらず、喉が渇かないという症状がSRPです。