今月の活動

2014年4月授業(2年生)

4月12日(土)荻野千恵美講師

今月のオルガノン学習は、§61~66 一次作用と二次作用の単元です。

生きている人間は外部環境の変化に常時適応しようとする力が内側から自然に出てきます。

例えば熱いお風呂に長く入り過ぎると、湯船を出てから湯ざめします。これは、身体が自分を守ろうとして、何とかして冷やそうとするからです。逆に氷水に長く手をつけた後に、手を引き上げると手がポカポカと温かくなってきます。身体が自分を守ろうとして温めようとするからです。このように人は本来、外部環境がどのように変わろうと、自分で自分を本来の状態に戻そうとする力が備わっています。

ハーネマンは、この人間の持つ自然な働きに着目しています。
その観点から、アンティパシー(逆療法)とホメオパシー(同種療法)を比較しながら、人が持ち合わせているこの力を活用するには、どちらの方が理にかなっているのかを解説しています。

新2年生(6期生)は、オルガノン学習の進行もかなり早く進んでいます。皆さん、本当に理解が早いと感心しています。

レメディ学習は、Stram. Hyos. Lac-c.の3つです。

Stram. Hyos.は、ナス科の代表レメディです。

すでに、同じナス科のレメディBell.を学んでいるので、まずは、ナス科全体のレメディ傾向をつかんで頂きながら進めました。

皆さんからは、Stram.では、光と闇、白と黒、格子の中・・などのイメージが、また、Hyos.ではピエロ~おどけるがかなしい~などのような植物的で繊細なイメージが出て来ました。(写真はStram.とHyos.)

Lac-c.では、女性と子供との関係性や、落ち着きなくざわざわした動物的な感じが出てきました。

自然界の三界(鉱物・植物・動物)のうち、2つを組み合わせながら学ぶのはとても感覚を刺激する学び方になるようです。
この学年には、この組み合わせでの勉強方法で進めると良いかなと感じました。

オルガノン要約(抜粋)

§61 このようなアンティパシー的な療法の悲惨な結果を反省すれば、これらとまったく反対の療法(=類似と微量を基本にする療法=ホメオパシー)こそが真なる持続的な医術であることがわかったはずだ。

§62 ホメオパシー的に健康を達成する事実は、身近な経験から知ることができ、非常に重要なのだが、以前は誰の目にも留まらなかった。

§63 一時作用:ポーテンタイズされたレメディが最初に起こす健康状態の変化。これを引き起こすのはレメディのエネルギーである。
二次作用:レメディのエネルギーとは反対の方向に自分の力を向けようとする生命エネルギーの努力。生命維持のために働く自発的行動。(逆作用)

§64 生命エネルギーはまるで無理やりに外部からの人為的なエネルギーを受け入れ、自分の状態を変化させる(一次作用)。その次に自分をいわば再び奮起させる。その奮起には二通りの状態がある・・・
A)一次作用と正反対の状態を生み出す場合=逆作用・二次作用
B)     〃     生み出さない場合。レメディによって生まれた変化を消し去ることによって自分の優位性を発揮しようとしている。そして本来の仕事に生命エネルギーは再びとりかかる。(二次作用・治癒作用)

§65 Aについて:一次作用に対する逆作用・二次作用の例。列挙。
健康状態を強く変化させる薬を”大量に”投与すると、生命エネルギーは一次作用と反対の状態(逆作用・二次作用)を常に必ず生み出す。

§66 しかし、”微量な”レメディを投与した時には、逆作用・二次作用を健康な身体に認めることはできず正常な状態に回復するのに必要なだけの逆作用しか生じない。
(治癒作用)

4月13日(日)荻野講師

入学されてから初めての実際のケース学習をしました。

今回の学習の目的は、実際のケースを材料にして、1年次に学んだ基本原理の復習をして行くこと。そして、当校独自のケースの分析の仕方を学んで頂くことでした。

でも、講師として、皆さんに一番学んで欲しいのは、スキルだけではなく、ホメオパシー専門家としての基本姿勢でした。これは、オルガノン(§1及び§6)を読みながら、確かめて行きました。

初めてのケース学習ということで、慣れていないということもあったと思います。皆さん敏感な感性を持ち合わせている方ばかりなので、ケースの雰囲気(クライアントさんの辛い気持)に少し影響されたように感じました。

とは言え、1年次に学んだ基本原理については、よく理解出来ていましたし、ケース学習の基本姿勢もわかったようです。
後は、今後の慣れだけだと思いました。

また、ケース分析では、クライアントさんの症状を、ホメオパシーの用語に変換して行く点が難しいと感じられたたようでした。
でも、今後次第に上手になって行くでしょう。これも慣れだと思いました。
実は、講師自身も、最初の頃は、症状をホメオパシー用語になかなか変換できなかったことを思い出しました。

また、今後は心理カウンセリングとホメオパシーセッションの違いを問いながら、進めるのも良いかもしれないと思いました。

オルガノン要約(抜粋)

§1 
療法家の唯一の使命は病める人の健康を回復することだけである。それを治療と言う。
(注)確かでもない理論医学を述べるのは止め、人々を助けるために行動に出るべき時である。

§6
偏見なき観察者が唯一知覚すべきものは、外部に表現された病の徴候・現象・症状の全体(本来の健康状態からいかに逸脱しているか)である。治療家は、生命エネルギーの病的な作用(逸脱部分)全体を「観察」する必要がある。(外部に表現された症状以外に見るものはない)