今月の活動

2012年12月授業(2年生)

12月15日(土)野村講師

今月の基本原理は「一面的な病と精神・感情の病について」について学びました。

オルガノンでの要点は、局所的な症状があったとしても、それは全体の一部に過ぎず、中心の乱れの「結果」だから、中心から癒さないといけない、ということです。

前半は、オルガノンでの該当箇所(§185~230)を精読しました。
範囲はやや広いのですが、重要な単元なので、ポイントをおさえながら全員で読み進めました。
その上で、精神・感情の病についての一般情報として、良くまとまっているあるWebサイトをご紹介し、精神・感情の病に関するルーブリック(ホメオパシー的症状)を皆で確認して行きました。

後半は、具体的に講師がかつて経験した精神面で悩んだ方のケース学習をしました。ケース自体はとてもシンプルで、みな、シングルレメディ(たった一つのレメディ)にたどり着きました。
そのケースの中心についても、個々人で発表してもらいましたが、誰ひとり的外れな人はいませんでした。レメディを探すことではなく、その人の中心をとらえることがホメオパスにとって、最も大切な点です。

オルガノン要約~抜粋

§185 局所的=外部の病は、それだけで存在しているわけではない。

§186 外傷などの局部的症状に外科的処置をするのは必要。

§189 しかし外傷なしに起こる表面的な症状は必ず内的な原因があるはずである。

§190 外傷によらない外的な症状は内部から全体的に治癒させる必要がある。

§191 適切なレメディはしばしば最も外的な症状にも変化を引き起こす。そしてその後、その人全体の健康の回復をもたらす。

§192 局所的症状だけでなく、全体的症状を調べてレメディを選ぶこと。

§193 局所的な症状であっても他の部分の病とも関わっている。それらは「部分と全体」として分別不可能である。ただ全体像のなかで際立っているだけである。

§202 局所症状のみを根絶させれば表面的には治癒されたように見えるが、実は病気は内側へ向かい、病はより一層威力を増す。

§205 ホメオパスは根底にあるマヤズムだけを治癒しようとする。単に最終産物の病巣を切除すると病はより悪化することもある。

§209 第一の処方:その次に、ホメオパスは患者の症状、特にSRPから症状像を完全に描いてから初めて最初のレメディを選び出す。

§210 一面的な病は全てプソラに属すが、症状が一面的なので治癒は困難である。感情・精神的病もこの種のものである。
治癒を成功させるには症状の全体像のなかに、感情・精神の状態をも記入しなければならない。しかしそれは変化するので、分かりづらい。

§213 身体症状と精神症状がマッチしたレメディでないと、急性の場合においてさえも治癒は不可能である。

§215 ほとんどすべてのいわゆる精神・感情の病は身体の病に他ならない。なぜなら身体的症状が後退すれば精神的症状が激しくなるから。

§216 症状が感情・精神的な方面に移行すると、ほとんど身体症状は消失する。

§217 上記のような場合、レメディの類似性は身体症状だけでなく精神症状のより正確な特性をとらえる必要がある。

§218 精神・感情的な症状に移行する前の身体的症状を正確に知る必要がある。

12月16日(日)荻野千恵美講師

今月のオルガノンは、ケーステーキングの具体的方法(§83~86)について記したところです。
今夏からケーステーキング実習を始めたところでしたから、ご自分の体験をシェアしてくれた方もいてタイムリーでした。

レメディは、Ph-ac. Nit-ac. Fl-ac.の3つのAcid系レメディについて学びました。

レメディのエネルギーを感じる時間では、本当にたくさんのイメージが出て来ました。
イメージの豊富さが、素晴らしいと思いました。

最後にレパートリーの練習をしました。比較的簡単な内容だったからか、皆さんサクサク進めていました。昨年に比べると各段に進歩しているのが分かりました。

オルガノン要約~抜粋(§83~86)

§83 症例を“個別化したものととらえるためには・・・。
 A)偏見を持たないこと。
 B)健全な分別を持つこと。
 C)症状像を注意深く観察すること。
 D)忠実に記録する事。

§84 忠実な記録とは?
A)感覚器官を総動員して
B)クライアントに起こった変化と異常を
C)クライアントと同じ表現で、
D)全てを、
E)正確に記録する。
F)自分は黙ったままで、患者と家族に話をさせる。
G)話をさえぎってはならない。

§86 内容の具体化について?
クライアントが話したいこと(症状)をすべて話したらそれを質問で具体化していく。
例)「いつからその症状が始まりましたか?」「どんな痛みですか?」