今月の活動

2012年9月授業(1年生)

9月23日(土)荻野千恵美講師

オルガノン学習は、類似の法則に関連した個所(§25~29)を学びました。

この単元は、ケントの哲学講義では第14講にあたる点なので、自宅学習では、その章を精読して理解を深めて頂くように紹介しました。

レメディ学習は、Carc. Tub. Med.の2つです。

いずれのレメディもNosodes(ノゾ)というものです。マヤズムというホメオパシー独特の考え方に深く関係したレメディたちです。

授業後に生徒さんから感想を聞くと、人間の業、悲しみを感じたとのことでした。
植物や動物にない独特の人間臭さを感じたようです。

いずれのレメディ学習でもとても良いレメディのエネルギーイメージが出てきました。

翌日の講義はマヤズム概要という内容でしたから、この授業の組み立て方が良かったと思います。
個々のレメディの持つ質感とマヤズム全体の理解をつないでもらいやすかったと思います。

オルガノン(要約~抜粋)

§25 レメディはほとんど全ての症状を生み出すことができる。癒すべき病の総体に類似し適切にポーテンタイズされ微量投与であれば、例外なく健康にもどすことができる。

§26 生きている身体において二つのエネルギーが動的に作用する場合、弱い方の作用は強い方の作用によって消される。ただし強いほうの作用は、作用が現れた状態において、弱い方の作用に類似していなければならない。(注)類似の事例列挙。

§29 自然の病はレメディよりも少し弱く働くので、レメディによって根源的生命から消失してしまう。そのとき根源的生命はレメディによって活動させられ支配されている。

9月24日(日)荻野講師

前半は、マヤズム概論について講義をしました。

この概念は、通常専門教育の後半年度(2年目以降)で取り扱うことが多いと思いますが、今回はあえて、1年生の段階で取り上げてみました。色んな混乱が生じたように感じましたが、早い段階で、マヤズムについての概要やニュアンスを知っておく方が、長い目で見ると、生徒さんの理解が深まると考えています。

後半は、レパートリーの使い方について、簡単な実例(ケース)を材料にして、演習しながら進めて行きました。

レパートリーの役割やRubrics(特徴的症状)を選ぶポイントについて、ごく基本から伝えました。
この授業は、細かく丁寧に進める必要があり、生徒さんも講師も、クタクタになりました。

でも、早い段階でこの壁を乗り越えておくことで、今後のホメオパシー学習がとても楽になると考えています。
これは講師の体験からも明らかです。

世界の一流ホメオパスは、いずれもレパートリー使いの達人ばかりだという事実からも、このレパートリーに慣れることが、プロフェッショナルになるための必須条件だと思います。

オルガノン該当§(要約~抜粋)

§72 人間の病は二つある。
A)急性症状:進行が速く、適度に短い期間で病の進行を終える。
B)慢性症状:初期の段階では目立たず、少しずつ健康を蝕んでいく。
生命エネルギーは病に対して不完全で不適切で無駄な抵抗を企てるだけで、自分のかかった病を独力で消滅させることはできない。最終的に身体が破壊されるまで異常な状態にする。この病は慢性マヤズムを通じてダイナミックな感染によって発生する。

§78 慢性マヤズム:
真の慢性的な病とは、”慢性マヤズム”から生じる。
これを放置したり、それに対応するレメディを使わなければいつまでも悪化の一途をたどり、心身両面から最高の養生をしても悪化は進行し、死ぬまで人を苦しめる。
本当の慢性病は人類を苦しめる最大無限の拷問である。どんなに元気で頑強で正しい日常生活を営んでもこの病を根絶することはできないから。

§80 乾癬マヤズム(ソーラ又はプソラ/PSORA)
他の病よりも計り知れないほど蔓延し、はるかに重要なマヤズム。
プソラは身体全体が完全に内的に感染した後になって初めて特有な発疹が出る。
プソラはほとんど全ての数え切れない病を生み出す真の根本原因である。

§81 このプソラは数百世代にわたり少しずつ受け継がれ、広範囲に無数の病の形をとって蔓延した。こうして生み出されたものには別々の病名がつけられた。