今月の活動

2012年8月授業(2年生)

8月25日(土)荻野講師

ケーステイキング(ケースを受け取る)の講義をしました。

先月、ケーステーキングのグループ学習をしたので、それについての質疑応答から、講義を始めました。4期生の皆さんはこういう実践的な講義が楽しいようで、生き生きしています。

ケーステイキング時の留意点は、ハーネマンがオルガノンで懇切丁寧に解説しています。その単元をおさらいのつもりで再読しました。講師の経験上言えることは、一番陥りやすいのはホメオパスが、相手の言葉を待てずに質問しすぎたりすることです。待つことは辛いこともありますが、間を取る大切さを伝えました。
でも、皆さんが本当に理解できるのは卒業後になるでしょう。最後にケーステイキングを深めるコツのようなものを伝えました。

上記のようなおさらいをした上で、実際のケースを通じて、ケーステイキングを学び、同時に、シングルレメディに至るプロセスもしっかり理解してもらうことが、今月の授業の目的です。
過去に講師が経験したケースを材料にして、そのケースの核心を皆さん一人ずつに発表してもらいました。この核心という一番大切な部分を皆さん本当に良く理解出来ていました。

オルガノン(要約~抜粋)

§83 症例を”個別化”したものとして捉えるためには・・・
   A)偏見を持たないこと。
   B)健全な分別を持つこと。
   C)症状像を注意深く観察すること。
   D)忠実に記録すること。

§84 セッションでの心構え:
   A)感覚器官を総動員して、
   B)患者に起こった変化と異常を
   C)患者と同じ表現で、
   D)全てを、
   E)正確に記録する。
   F)自分は黙ったままで、患者と家族に話をさせる。
   G)話をさえぎってはならない。

§87 「はい」「いいえ」で答えるような質問はしてはいけない。半分しか本当でないときもどちらかにしなければならないから。即答できるような質問も良くない。患者が誤ることもあるから。

8月26日(日)高橋講師

前日のケース学習について、ある生徒さんから質問がありました。
このケース学習で選ばれたレメディは、以前レメディ学習した時に感じた質感と違うのはなぜですか?というものでした。とても素晴らしい質問だと思いました。

皆さんにマテリアメディカや、周期律表を再度開いてもらいながら、個々に解説して行きました。講師としてもとても面白いものでした。良い質問は、本当に皆で深い学びが出きるのが楽しいです。

いつものように、最初にオルガノンを学びました。今回は、§71~78「急性と慢性」のところです。ハーネマンの唱えたマヤズムについての概観を伝えることが出来ました。10月にある国際セミナーでは、マヤズムのことを学ぶ予定ですので、丁度良い準備になったと思います。

レメディ学習は、Ther. Zinc. Dros.の3つです。3つのレメディはそれぞれ三界に分かれていて、一見無関係なものですが、実はすべてTBマヤズム系のものばかりです。
呼吸の問題や活動過多と疲弊という共通点を持っています。
今回も皆さん豊かなイメージ出て来ました。レメディの質感がよく理解出来たのではないでしょうか?

オルガノン(要約~抜粋)

§71 人間の病は「ある種の症状が集まったもの」以外にはありえない。
   ホメオパシーによる基本は三つに限られる。

A)治癒のために必要なものを探求すること。§72~104
B)レメディのエネルギーを探求すること。§105~148
C)レメディの適切な適用の仕方。§149~

§72 人間の病には二つある。
A)急性:病の進行が速く、適度に短い期間で進行を終える。
B)慢性:初期の段階では目立たず、少しずつ健康を蝕んでいく。
生命エネルギーは病に対して不完全で不適切で無駄な抵抗を企てるだけで、自分のかかった病を独力で消滅させることはできない。最終的に身体が破壊されるまで異常な状態にする。この病は慢性マヤズムを通じてダイナミックな感染によって発生する。

§73 急性病:急性の病には大きく二つある。

§74 医原病:アロパシー療法によって作用が激しく英雄のように戦う薬を増やしながら大量に投与され続けることによって起こる。これも慢性病のひとつと見なさなければならない。

§78 慢性マヤズム:
真の慢性的な病とは慢性マヤズムから生じる。
これを放置したり、それに対応するレメディを使わなければいつまでも悪化の一途をたどり、心身両面から最高の養生をしても悪化は進行し、死ぬまで人を苦しめる。