今月の活動

2012年2月授業(2年生)

2月25日(土)高橋講師

いつものようにオルガノン学習から始めました。

ハーネマンは「類似している」場合について、自然の病の場合とレメディの場合を比較しながら、実例をあげながら説明しています。そのことが書いてあるオルガノンの§43―51をみんなで読みながら「類似の法則」についてもう一度理解を深めてもらいました。

レメディ学習はCann-i. Op. Agar.という非常にユニークなレメディたちの学習です。(写真はAgar.)

これらのレメディに共通して関係するものは恐怖心です。それは人を根源的に突き動かす力を持っています。
人は恐怖を感じると逃避、暴力、麻痺、隠遁などとても強い反応をするものです。

レメディ学習を通じて、芸術とは恐怖の極の片鱗に生じることがあるのではないか?との感想を持った
生徒さんがおられました。そうかも知れないと思いました。

この2年間、たくさんのレメディを深く学んできて、生徒の皆さんがレメディのエネルギーを掴む力は
とても正確であるのを感じて来ました。
自信をもって3年次から本格的に始まるケーステイキングにのぞんで頂けると思っています。

オルガノン§43~51(抜粋~一部)

§44 二つの非常に類似した病は互いに寄せ付け合う。相手の進行を妨げることなく止めることもない。同様に、同じ身体で並存することもなく、二重になって複雑化することもない。

§45 類似した病は必ずどんな場合でも互いに根絶しあう。要するにより強い病はより弱い病を駆逐する。これは強い病が、弱い病が占拠しているのと同じ部位を要求するからだと推測される。

§48 自然の病であろうと、レメディであろうと、病に対して類似していて、且つ少し強いだけで治癒させることができる。=「自然法則」

2月26日(日)荻野千恵美講師

オルガノン学習では、アンチパシー(逆療法)・アロパシー(異種療法)と、ホメオパシー(類似療法)の
対比の単元について輪読しました。

そこに書かれていることを材料にして、「似ていないものによるアプローチ」と「似ているものに
よるアプローチ」について、どこがどう違うのか?について考えて頂きました。出来るだけ空想的
観念的にならないように、皆さんの実際の体験を出してもらいながら、講義を進めてみました。

皆で考えてみると、この世にある多くの療法のうち、似たものを使うのは珍しいことに気付かされました。
つまりホメオパシーはとてもユニークなもの。
その一方でホメオパシーは使う人にとって厳しいものであるかも知れないとも思いました。

似たものを探すためには、まず自分に向き合うことが必要になります。
それは時に自分にとって一番嫌な面を見ることになるかも知れません。

ケース学習では、とてもシンプルなケースをシェアしましたが、基本的な勉強をするには、とても役立った
のではないかと思いました。

3年生になると「その人の何が癒されねばならないのか?」に重点を置いて、繰り返してケースを学ぶ
ことになります。その土台になるような講義を心掛けてみました。

講師の予想を超えて、皆さん偏見のないシンプルな態度で向き合って頂きました。その姿勢を
素晴らしいと感じました。
皆さん、良いホメオパスになりそうな予感がしています。

オルガノン§52~60(抜粋~一部)

§55 アロパシーの療しの体系を忠実に導入すると患者の状態は非常に深刻になる。一時的に緩和する術を持たなければ、医師は患者からすぐに見捨てられていたことだろう。アロパシー医は緩和さえすれば良いと考えて来た。

§57 アンティパシーでは、病全体の多くの症状には注意を向けず、たった一つの厄介な症状に対してのみある薬を投与する。これで最も迅速な緩和の治療ができると考えた。
緩和療法の例。
アンティパシー(通常医学)の薬の種類は限られており、効能(一時作用)もわずかでしかない。

§58 アンティパシーでは、たった一つの症状だけが一面的に考慮されているにすぎない。したがって病全体の療しは明らかに期待できない。アンティパシーによる短期の緩和作用の後には常に例外なく悪化が起こる。通常医学の医師は必ずそれを他の原因に転嫁する。

§59 反対のものによる緩和の作用によって、病の重い症状が治癒されることは決してない。むしろ必ず増幅させ悪化する。
緩和療法による悪化事例・・・一時作用(緩和)の後には二次作用(逆に向かう身体の自然作用)が起きて、より悪化するしかない。

§60 アンティパシーでは、その効果がすぐに切れるため緩和剤を次第に強くしていかなければならない。結果、より重い他の病が発生する。もしくは治癒不可能な状態や生命に危険な状態が生じ、決して治癒しない。