今月の活動

2011年5月講義(3年生)

5月14日(土)渡辺講師

ホメオパシー原理の講義として予防接種について、そして解剖・生理・病理症候学として婦人科についての講義をした。

予防接種の問題は、生徒さんにとっても関心の高い課題の一つであり、活発な発言や質問があった。

そして、卒業後に、クライアントさんから、一番質問を受ける分野でもあり、ここでしっかり学んで頂き、生徒さん個々人の考え方を確かなものにして頂きたいと考え、講義を進めた。

ジェンナーの種痘に始まる予防接種の歴史から始め、
予防接種の理論と作用機序
過去におきたいくつかの被害や様々な問題点
その有効性や必要性に関する意見の紹介
・・などを一通り講義した上で、
「そもそも予防とは一体何をすることか?」
「感染症に罹ると罹らないでは何が違うのだろうか?」
「ホメオパシー的観点からは予防の問題をどう捉えたら良いのか?」
こういう講師の問題の投げかけに応じる形で皆でフリーに話し合ってもらった。

予防接種の問題については、正解はない。社会・地域・家庭・個人の事情に応じて個別に答えを出すしかない。
大切なのは、固定的な結論にしがみつくことではなく、事情に応じて柔軟に捉えて行くことだと考えている。
個々人の予防接種に関する考えについては、今後も深めて行って頂きたいが、その土台は出来たように思う。

※尚、講義では詳しく触れなかったが、ハーネマンは、ホメオパシーの原理を利用して、予防により、当時ドイツで蔓延した猩紅熱から子供たちを救っている。

参照/オルガノン§33(要約)
§33 自然の病気=ある条件下で感染する。レメディの病気=無条件に感染する。
(注)しょう紅熱の「予防」としてBell.を用いて効果があった。つまりレメディのエネルギーは人間の生命エネルギーを変化させる強い力を持っている。

後半は、いつものようにスライドを使って、婦人科に関しての講義をした。

5月15日(日)野村講師

比較的簡単なビデオケースを題材にして、そのケースの中心を探りながら、レパートライズの実践トレーニングをした。

レパートライズにより、レメディが自動的に分かるわけではないが、それは、私たちの偏見をとる有効な方法であるのは間違いない。

そして、レパートライズをする手作業を通じて、ケースに見られるある特徴的な症状(Rubrics)とレパートリーに出てくるいくつかのレメディ候補に触れるプロセスを経ることで、次第にケースの全体像がより明確になって行くことも感じてもらえたと思う。

同時に、その作業をCP(コンピューター)ですることの意義も理解して頂けたと思う。より正確で、広い視野に立ったケースのとらえ方のためには、今やCPでのレパートライズが欠かせない。10年以上前から、世界のホメオパシー先進国では、CPレパートリーの利用が標準になっている。