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2018年7月授業報告(1年生~初級コース)

flowering Pulsatilla halleri

7月28日(土)29日(日)

今月は「先月のレメディの復習」「オルガノン学習(§19~29)」「今月のレメディ学習(Calc.Puls.Phos.)」「ホメオパシー哲学(全体像とSRP)」「ホメオパシー基本概念解説」を学びました。(画像は、Puls.)

 

「今月のレメディ学習(Calc.Puls.Phos.)」

今月も、ホメオパシーの大レメディを3つ学びました。

7月の後半から、レメディ学習では、生徒さんに、事前にその原材料を調べて来てもらい、授業の冒頭で発表してもらうことにしました。そのせいか、これまで以上にレメディ学習への熱が感じられました。

Calc.は、牡蠣の殻の内側部分から調整されるユニークなレメディです。
皆さんからの発表後に、海に自然に生息している天然の牡蠣の画像を見てもらいました。何人かの方から「おいしそう~」との声が漏れてきました。
これは、ハーネマンのインスピレーションからレメディになりました。ホメオパシーの世界では、最も多くの方が恩恵に預かっているレメディの一つです。特に、乳児や幼児などの成長(骨・歯・皮膚・栄養)に関するトラブルに広く活用されてきました。
ちょっと、ゆっくりペースの子供(大人でも)にマッチすることが多く、ゆっくりですが、何事にも真面目で丁寧に物事に取り組みます。自分のペースを大切にしていますので、他人から指示されるのを嫌います。
精神面では、周りに対して不安や恐れを持ちがちで、危険や責任を避けたがります。体格的には、太り気味の場合が多く、色白で、ふっくらしていて、まるで牡蛎の身のような感じが典型的な姿です。一般に寒がりですが、酸味臭のする汗をかいたりします。子供の場合、風邪をひきやすいでしょう。

 

Puls.は、キンポウゲ科のセイヨウオキナグサから調整される植物レメディです。
非常に多くの症状を持ち、古くから、繰り返し女性に利用されて来たため「レメディの女王」とも呼ばれています。風になびく柔軟性に特徴があり、ウインド・フラワーとも呼ばれています。

生徒さんたちからは、花言葉も含めて、多くの原材料情報を出してもらうことが出来ました。それをホワイトボードに書くに従い、このレメディ固有のイメージやマテリア・メディカが出来上がってゆくかのようでした。花の画像も見ながら、進めて行きました。

可憐な姿をした花ですが、意外にも強い毒性も持ち合わせていることが分かりました。
また、花言葉の一つに「裏切りの恋」というものがありました。最初は、恥ずかしそうにうつ向いて咲いているのですが、盛りをすぎたら、今度は上を向いて咲くように変貌するところから来ていることが分かりました。また、地表の可憐な姿からは想像しにくいほど太くたくましい根っこを持っていることも分かりました。
ステレオタイプのPuls.の気質は、穏やかで従順、見捨てられた気持ちを持ちやすく、見捨てられないためには何でもするタイプです。超敏感で、人ごみ、狭いところを嫌い、外気を欲しがります。
ウインドフラワーの名前通り、症状や気分はとてもは変わりやすく、つかみどころがないように感じるかも知れません。胃は弱く、こってりした食べ物が苦手です。黄緑色で粘っこい分泌物に特徴があります。根っこにたっぷり水を蓄えているせいか、喉の渇きがありません。思春期以来に悪化することが多く、女性のレメディ(逆子など妊娠・出産時や生理のトラブルが起きやすい)として世界中で活用されています。
Phos.は、燐から調整される鉱物レメディです。
生徒さんたちに、燐についてかなり詳しく調べて来てもらったおかげで、かなり本質的なレメディ像が描けました。

マテリアメディカを読むだけでは、出てこないようなレメディ像も共有出来ました。最後は、古典的ケースを紹介して、実践的な内容に近づけたと思います。

Phos.のテーマは、TOO OPEN(あまりにも開き過ぎ)です。外に対して開きすぎているため影響を受けやすく、多くの恐怖や不安を持つこともあります。他者との交流・循環を強く求めますが、交流が得られない時の落ち込みは激しいものになります。
身体的には、焼けるような熱感があり、冷たいもの(冷水や氷)を欲しがります。開きすぎているため、疲れやすいことも多いです。でも食べることや眠ることで、比較的早く回復します。Phos.は成長が早すぎる子どもや骨の問題によく使われて来ました。他に特徴的な点は、出血しやすいことです。消化器と呼吸器・血流など、全体に「循環」の問題と関係した症状が出やすいでしょう。
いずれのレメディも、その原材料についてよく知った上で学んで行くと、より広く・深く本質的な理解につながることが分かりました。
特に古来から伝えられた神話や花言葉などにもその生物の本質的なものが表現されていて、興味深く学べたと思います。今後も全学年で続けて行こうと考えています。