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2017年5月授業報告(1年生~初級コース)

5月27日(土)・28日(日)

今月から、新しい仲間が加わりました。そして、遠隔地の生徒さんお2人がスカイプでの授業参加になりました。

今月は、「先月のレメディの復習」「オルガノン学習§13~18」「基本原理~類似の法則・へリングの法則」「今月のレメディ学習」「古典的ケースからのレメディ学習」と盛りだくさんでした。(画像は、Nux-v.の種子)

 

 
「基本原理~類似の法則・ヘリングの治癒の法則」

◎類似の法則
類似の法則とは、ホメオパシーの父ハーネマンが発見した自然法則のことです。
先月も類似の法則については、他の療法と比較しながら講義をしましたが、今月は、まずは、法則とは何なのか?という問いかけから始めました。

次に「似たものが似たものを癒す」という類似の法則は、非常に古く(2000年以上前)から知られているにも関わらず、一般の方には非常に理解しづらいものです。では、なぜ一般の人には理解しにくいのだろうか?と問いかけてみました。

類似の法則は、理論や理屈ではありません。この世(自然や人体)に起きていることをつぶさに観察した結果、分かって来る確かな秩序(自然法則)です。

そのうえで、ハーネマンが類似の法則を発見した経緯(発端)を伝えました。当時の彼がいかに偏見が少ない実証的な人物であるかが、理解できたと思います。
最後に、この世に類似の法則が起きていると思われる実例を皆さんにも挙げて頂き、講義を終えました。

◎ヘリングの治癒の法則
この法則は、ハーネマンの弟子にあたるコンスタンチン・へリング(アメリカのホメオパシーの父と称された)が発見した人間が健康状態に向かう際に起きて来る兆候や症状(表現)のことです。それは、病気の進行方向とは、逆に起きて来ます。この法則は、ホメオパシーに限らず、いかなる療法でも、あるいは自然軽快する際にも観察されること(法則)です。
これを理解する際に、大切な前提があります。それは、人が健康を取り戻す時というのは、まず、中心(生命力)から始まり、次第に外部に向かって進むということです。
この理解が大切です。これが理解できないと、健康を回復する際、良い方向に向かっているのか?あるいは違うのかが、正確に判断できません。
へリングの治癒の法則は、200年近く前から、レメディの適・不適の査定に活用されて来た重要な法則です。

 

「今月のレメディ学習4つ」

Nux-v.はマチン科の植物ポイズン・ナット・ツリーの種子から調整されるレメディです。授業では、もし、自分が種子として生まれ、ジャングルに落ちたら、どんな気分でしょうか?という問いから始めました。
欧州などでは、古くから、食べ過ぎ・飲みすぎ・二日酔いといった消化器のトラブルによく利用されて来ました。
精神面では、独立心が強く目標達成型の野心家タイプに適しています。たいていの場合、緊張感があり、イライラしがちで、競争心が強く、なんでも効率的に進めようとします。感覚は過敏で、潔癖な傾向が強く、テキパキと仕事ができる人にマッチします。全体に、駆り立てられるようなエネルギーを感じることでしょう。

 
Ars.は、非常に古くからある著名なレメディです。特に、嘔吐・下痢が同時に起きるような症状に適しています。欧州などでは、消化器のトラブルを中心に、アレルギー的症状にも重宝されて来ました。
授業では、もし自分がお金持ちの老人だったらどんな気持ちでしょうか?という問いかけをしました。
精神面では、多くの不安と恐怖(死・病気・強盗・貧乏・一人)を持ちやすいタイプで、特に自分が持っているものを奪われてしまうのでは?という不安・恐怖に取りつかれやすいのです。その表現としての潔癖症と落ち着きのなさが特徴的です。身体面は、焼けるような痛み・喉の渇き・下痢と嘔吐・突然の衰弱などが特徴的です。

 

Rhus-t.は、ウルシ科のポイズン・アイビーから調整される植物レメディです。
授業では、漆かぶれと漆器の画像を見てもらい、それから立ち上がるイメージを出してもらいました。
堪えがたい痒み症状と固まって行くという2つの特徴が際立ったレメディです。
セルフケア的には、捻挫・筋違いの際、最初に考えるレメディのひとつで、関節、靱帯と皮膚に関係が深いのが特徴です。
関節痛は引き裂かれるような、縫われるような、打撲のような痛みがあります。関節にはこわばった感覚があり、動作で好転します(ただし動き始めは痛い)。湿疹はウルシかぶれのように非常に痒いのが特徴的です。
精神面は、非常に落ち着きがなく、不安感が強く、特に家の中で悪化します。

 
Bry.は、砂漠に生育するウリ科のワイルドホップの根から調整されるレメディです。
授業では「かわく」と心身全体はどうなるのか?をイメージしてもらいました。
このレメディの中心テーマは乾燥です。漿膜や粘膜の乾燥により炎症を生じ、わずかな動きにも激しい痛みを起こしやすくなります。かわく傾向は内面も同じで、精神的にも潤いがなく、貧困を恐れがちで、いつも仕事の話ばかりするという特徴があります。

Rhus-t.もBry.もモダリティー(体質的な傾向)がハッキリしたレメディの代表ですので、レメディ学習と同時にモダリティーというホメオパシー特有の考え方を解説しました。Rhus-t.は、動くと心身全体が好転し、Bry.は動くと心身全体が悪化します。