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2018年6月授業報告(2年生~中級コース)

Lil-t Verat

6月23日(土)24日(日)

今月は、「先月のレメディ復習」「オルガノン学習(§79~84)」「今月のレメディ学習(Lil-t.Graph.Verat.)」「周期律と鉱物レメディ(炭素)」「古典的ケース学習」

(画像は、Lil-t.とVerat.)

 

「今月のレメディ学習(Lil-t.Graph.Verat.)」

Lil-t.は、タイガーリリー(鬼百合)から調整されるレメディです。
授業では、まずは、百合から得られるイメージを明確にしてもらいたくて、生の白百合を目の前で、観てもらい、そこから受ける百合固有の印象やエネルギーを感じてもらうところから、始めました。引き続き、鬼百合の動画を見てもらい、同じ百合ながら、ずっと野生味に溢れ、且つセクシャリティーのあるこの植物の持つ強烈な質感を理解してもらいました。

このレメディの精神症状は、百合的な宗教性と虎的な野生性の間での葛藤が特徴的です。いつも急いでいて、一度にたくさんのことをしようとします。自分の重要性を強く言い立てることもあります。ユリ科のレメディの共通項は、世間から押し出されている感覚を持っていることです。
体質的には、温血で、外気の中を歩くと全体に好転します。身体面の特徴は、Sep.(コウイカの墨から調整されるレメディ)と同様に、骨盤内(子宮など)に押し下げられるような感覚があり、また、心臓をグイッとつかまれるような感覚も特徴的です。

 

Graph.は、黒鉛(鉛筆の芯など)から調整される鉱物レメディです。ホメオパシーでは、特に皮膚症状に使われてきました。皮膚全般や皮膚の屈曲部や耳の後ろの湿疹に適用例が多く、表皮剥離・ひび割れ・肥厚・硬化・落屑が出るなど特有の皮膚症状に活用されてきました。精神面は、優柔不断で臆病、自信がないタイプです。些細なことで興奮しがちですが、泣くことで、スッキリ好転します。食欲旺盛で肥満傾向の場合もよく見られます。
授業では、原材料のイメージや映像から理解をしてもらった上で、皆さんの内面から立ち上がるイメージを述べてもらいました。地味だけど縁の下の力持ちとか、鉛筆は下絵に使うので重要だが、存在価値があるかないか分からないとか、色気がないとか、骨や皮膚がぽろぽろ落ちるイメージ、また、いるのかどうか分からないけれども、いないと皆が困るような存在、など、出て来ました。ある生徒さんは、子供の頃の自分は、このGraph.の症状が全部当てはまるとのことでした。
Graph.の学習を終えた後に、周期律全体の説明を初めてしました。
Graph.は、100%炭素(C)からできています。炭素とは、どのようなものなのか?そして、周期律の中では、どこに位置付けられているのか?を伝えました。
ホメオパシーのレメディとこの自然界(宇宙)の摂理を表している周期律が繋がっているところが、とても興味深く、面白いという意見が出ました。今後も、鉱物のレメディ学習の際には、周期律からの理解もして行きます。この見方を知ると、レメディへの理解が一段と深まって行きます。

 

Verat.は、Lil-t.と同じく、ユリ科の植物レメディです。このレメディは、かつて、欧州でコレラが蔓延した時に、ハーネマンが使って大きな成果を上げたことで知られるレメディです。コレラのように、激しい下痢と嘔吐と衰弱した状態に、活用例が多いレメディです。

Verat.の精神症状には、社会的な地位を失ってしまったという感覚があります。いかなる手段を用いてもそれを回復しなければならず、そうしないと自分は終わりだと感じています。いかなる手段も用いるとは、たとえばギャンブルしたり、嘘をついても(詐欺的行為)といった手段も取ろうとします。富や自分の重要性を示すことがVerat.の際だった特徴であり、これを使って“失った社会的地位”を埋め合わせようとします。