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2018年8月授業報告(3年生~上級コース)

銅線

8月11日(土)12日(日)

今月は「先月のレメディ復習(Dulc. Zinc. Carb-v.)」「オルガノン学習(§221~230)」「2回目の処方について」「レメディ学習(Cic.Cupr.Bufo.)」を学びました。(画像は、Cupr.銅線)

 

「レメディ学習(Cic.Cupr.Bufo.)」

今月からは、どの学年のレメディ学習でも、事前に、各自でレメディの原材料を調べて来て発表してもらうことと、レメディ学習の総まとめとして、講師からは、過去のホメオパシーの巨匠たちが残してくれた古典ケースを数例ずつ紹介することにしました。

各レメディの症状の丸覚えはほぼ不可能です。レメディ学習の授業が印象的なものであるほど、卒業後にも、レメディ特有の感覚が蘇り、実践で使いやすくなるものです。

Cic.は、セリ科の Water Hemlock(ドクゼリ) から調整される植物レメディです。

生徒さんたちからの事前学習の発表も、普通のセリとの共通点と違いに関するお話など、なかなか興味深いものがありました。
Cic.タイプでは、超敏感で、あまりにも繊細なために、現実の人間社会が粗く感じられて、馴染みにくい人に適したレメディです。そこから離れて引きこもることもしばしばです。
精神面での特徴は、非常に自信がなく、疑い深く、孤独を求めます。その根っこには、人間社会への苦手意識や軽蔑の気持ちがあります。時に子供っぽいふるまいをしたりします。子供のおもちゃで遊んだり、衝動的であったり、冗談を言ったり滑稽なふるまいをすることもあります。
身体面では、てんかん発作や激しい痙攣症状が典型的な適用例です。
痙攣症状では、恐怖からの痙攣、頭部・背骨の外傷から引き起こされる痙攣、に適しています。乳歯の生えはじめの時期の痙攣、寄生虫による痙攣などにも活用されてきました。
他には、出すべき症状を抑えたことによる脳の症状や、頭や顔の痒みのない湿疹症状にも有効なものとしても知られています。
古典ケースをご紹介した後に、講師が以前経験した幼児の癲癇の改善ケースの概要をご紹介して、終了しました。

 
Cupr.は、銅から調整される鉱物レメディです。
かつて、ハーネマンは、欧州で流行したコレラの治療に大きな成果をあげました。Cupr.は、その時に使ったレメディの一つです。(他は、Camph.とVerat.)
Cupr.は痙攣症状と強い関係があるレメディです。てんかん・こむら返り・ぴくつきなどの症状の第一候補レメディです。Cupr.の痙攣は手足の指先から始まります。
全体的にコレラとの類似性があり、吐き気が強く、米の研ぎ汁様の下痢とともに、胃が死んだような感覚になることがあります。
また発疹や分泌物の抑圧、接触、頭脳労働、肉体労働から悪化しやすい傾向があります。
精神面では、強い義務感にしばられ、堅苦しく気難しく自己批判的で、常に内面の強い感情を抑圧しています。
身体面では、激しい咳発作、窒息感、百日咳、顔が青ざめること、などが特徴的です。

今月学ぶ3つのレメディは、いずれも痙攣発作と関係が深いので、まとめ的にCupr.の典型的な痙攣症状を一覧にして紹介しました。

 

Bufo.は、BufoBufo(ドクヒキガエル)から調整される動物レメディです。

このレメディも痙攣症状と関係が深いのですが、発達障害の要素を色濃く持ち、遺伝的な問題を含んだケースに、しばしば使われて来ました。Bufo.タイプは,知能発達の遅れている子供や,年齢よりも早期に痴呆が始まるケースに適しています。
生徒さんの一人が、昔、中学生の時、同じクラスにこのレメディの症状像に似た人がいたことを思い出したようです。
古典ケース数例と講師が、かつて経験した改善例を紹介して、講義を終了しました。

今月は、痙攣発作症状と関係の深いレメディを学びました。痙攣発作症状は、それを患っている人にとって辛く苦しいものですが、一般医療では有効な(根治)方法が見当たりません。
でもホメオパシーでは、今回の3つのレメディ以外にもとても多くの痙攣発作に対する方法(レメディ)があります。私(荻野)も、開頭手術以来患った痙攣発作から、ホメオパシーによって開放された一人です。