レメディの使い方ABC

パッシフローラ Passi.

2010-06-05

こんにちは、クラシカルホメオパシー京都の荻野千恵美です。

新緑の5月から、6月に入って、木々の緑は、私たちに木陰を作ってくれるような、たくましい色合いに移りつつあるのを感じます。

緑の美しさを楽しみたいときの私の一番のおすすめは、東山の麓。
南禅寺、永観堂、法然院、銀閣寺。
有名なお寺が、気持ちのいい散策路でつながっています。
特に、銀閣寺の近くは、私のお気に入りスポットがあるところです。

先日、銀閣寺道のそばにある、白沙村荘に行きました。
日本画家の橋本関雪が大正時代の初期に作った大邸宅。
10,000㎡の敷地に、庭園、関雪らが暮らした屋敷、大画室、茶室が点在しています。
明治から大正、昭和の終戦を迎えるころまでの日本画壇で活躍した第一人者が、絵画とともに生涯かけて作り上げた美の世界です。
存古楼といわれている大画室は、板張りの53畳一間の美しい日本建築。
正面の池は、光を取り入れるために作ったという桁外れなスケールのアトリエです。
ここからの眺めは、まさに理想郷。
自然を映す池、松やもみじなどの植え込み、その向こうに、東山連山が続きます。
しばらくたたずんでいると、庭というのは、極楽浄土を表現したものなんだという気分になってきます。

橋本関雪と同じ頃活躍した日本画家に竹内栖鳳という人がいますが、彼の住んでいた邸宅も清水寺の近くにあります。
今は、お茶の飲める素敵なところになっています。

こちらも、またご紹介したいと思います。

それでは始めましょう。

「セルフケアコース 神経・感情から起きる不調に適するレメディ」その8

<パッシフローラ Passi.>

原料は、パッションフラワー。時計草ともいわれています。
北米南部から中南米にかけてが原産。多年草のつる植物です。

この植物の花は、丸い時計のような姿をしています。
私が、以前住んでいた家の隣には、この植物が植えられていました。
フェンスの金網にからまって広がって生え、夏になると時計そっくりの花をたくさんつけていました。

セルフケアの講座で、私が、初めてこのレメディを教わったとき、「時計そっくりな姿をした花を原料とする、時計の時間通りに眠れない人にまず、試してみてよいレメディです。」というのを聞いて、思わず、笑ってしまったのを憶えています。

この植物は、現在では、精神安定作用があると認められ、メディカルハーブとして多くの国で利用されています。
夜に泣き叫んで寝られない子。
歯が生えそうで、イライラして眠れない子。
精神的な緊張が強くて眠れない人などに、ハーブとしての効用が認められているようです。

パッションフラワーのpassionを辞書で引いてみると・・・。
まず、熱情、激情、かんしゃく、激怒という意味があります。
そして、もう一つ、殉教、受難という意味もあります。
16世紀、南米に渡ったイエズス会の修道士たちは、この花を崇めていたそうです。
花の姿が、イエスキリストの磔刑を象徴していると言われています。

キリストの受難、熱情やかんしゃく、激怒。
どちらも緊張の極みです。
眠りに必要な副交感神経モードとは真逆。
このような緊張したエネルギーを持つものが、そいうった状態を癒してくれる。
まさに、類似の法則です。

パッシフローラは、不眠に対するセルフケア的なアプローチの第一選択肢として選べます。
でも、不眠の悩みを持つ人の場合、その人の全体にかかわるところから起きている場合が多いので、同じ不眠という悩みを持った人でも、必要なレメディは違ってきます。
ですから、不眠で長く悩んでいる方には、セルフケアではなく、ホメオパスのセッションを受けることをおすすめしています。

次回からは、セルフケアコースもいよいよ6回目。
女性の問題に関係の深いレメディをご紹介いたします。
魅力たっぷりの大レメディが出てきます。

どうぞ、お楽しみにね!