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2016年12月授業報告(2年生~中級コース)

Hyos.画像2

12月10日(土)11日(日)

今月は、「先月のレメディの復習」「ケーステイキング実習」「今月のレメディ学習(3つ)」「オルガノン学習(§161-171)」「古典的ケース学習」を学びました。

(写真はHyos.)

 
「ケーステイキング Case Taking 実習」

皮膚症状が出ている生徒さんが一人おられたので、他の生徒皆でケーステイキングをする実習をしてみました。


最初に、クライアントに何を聞くべきかを確認したうえで、皆がホメオパス役になり、順次聞いて行きました。少し講師が手助けしましたが、かなり特徴的な症状も捉えることができました。
それを元にして、皆で一緒にレパートライズ(いくつかの特徴的な症状を元にレメディ候補を選ぶこと)をして、その中で全体像が一番近いと思われるレメディを数個に絞り込みました。さらに考察を進めて、たった1つのレメディにたどり着きました。
そのレメディは、その生徒さんの印象とは違うものでしたが、改めて、ケーステイキングから得た情報の中で、「家族歴」という観点から眺めてみると的を得たレメディが選べたように思いました。
ご本人の強い希望で、1粒だけ自宅で飲んで頂くことになりましたが、翌朝までには、心身全体に良い変化が現れたようです。翌朝、教室に現れた際には、皮膚症状は随分治まり、何よりも気分がすっきりしたとのことでした。
ケーステイキング~ケース分析~レメディの投与~レメディの反応の確認 という一連のプロセスを身近に経験することができ、とても有意義な授業になりました。

 

「今月のレメディ学習」

今月は、Graph.Med.Hyos.の3つのレメディを学びました。

Graph.は、英国製最高級絵画用鉛筆の芯から調整されるレメディです。
古くから、主として皮膚や皮膚の屈曲部、耳の後ろにできる湿疹や表皮剥離、ひび割れ、肥厚、硬化、落屑など「脆くはがれやすい皮膚症状」に利用されて来ました。それはまるで、鉛筆の芯が、脆い吾が身を崩しながらその役割を果たすのに類似しているかのようです。
精神面も脆さが特徴的で、優柔不断で、ささいなことに対しても決めることができません。感覚面は敏感です。特に音に敏感に反応し、音楽に関心が深いでしょう。演奏も好むかも知れません。感情面も脆く、些細なことでよく泣いたりします。家族に対してとても心配し、優しく面倒見が良い一面があります。食欲は旺盛ですが、身体は冷えやすいでしょう。

Med.は、Nosodesと呼ばれるやや特殊なもので、人間の病巣部(淋病)を原料として調整された人間臭いレメディです。
ホメオパシーの考え方の特徴は、マヤズム(病の素因)こそが、人を慢性病に導くというものですが、このMed.というレメディは、3大マヤズムの一つSycosisマヤズムの中心的な位置づけにあるレメディです。そのエネルギー傾向は、自分の内面は非常に弱い、あるいは汚れているというフィーリングがあり、それを周りにばれないように過剰なまでに隠さなければならない。そのような何んとも言えない罪悪感を持っています。同じ傾向のレメディは他にも多く、Thuj.Puls.Sil.なども、同じマヤズム傾向をもっています。

Hyos.は、Bell.Stram.と並ぶ、ナス科の代表レメディで、ヒヨスというナス科の1,2年草
の植物から調整されます。
その特徴は、主として精神面にあり、激しい嫉妬と強い疑いのレメディとして有名です。身体面では、癲癇症状にしばしば利用されて来ました。熱く激しい感情を持ちながら、一方で冷たく非情なふるまいもするサイコパス的なレメディの一つです。
古くから子供にもよく使われてきました。例えば、自分の妹が生まれて、親の愛情が幼い妹に向いて以来、激しい嫉妬が始まるようなケースです。親の見ていないところで、幼い妹をいじめたり、自ら裸になって自分の方に親の注意を向けようとしたり、極端な行動として表現されます。