今月の活動

2010年2月講義(1年生)

2月20日(荻野講師)

今月は今期最後の授業なので、初日のレメディ学習の授業と2日目のケースの学習を例月以上に密接に連動した講義を試みました。

初日は、翌日のケース学習を念頭に置き、
オルガノン§6「偏見なき観察者」についての講義から始めました。
人は誰でもが、なんらかの偏見をもって生きています。
人を観る時は、それを出来るだけ少なくする必要があります。
ケース学習を通じて、各自の偏見に気づいてもらえたらと願い、
授業を進めました。

生徒さんたちにも、そのことに気づいていただけ、その意図は伝えられたと思いました。

レメディ学習は、「Change」をテーマに、3つのレメディを学びました。
Tub.とCalc-p.Tarent.です。いずれのレメディも変化を求め動くことと関係します。Tub.の学習
では、生徒さんから幕末の志士のイメージが出て来て、驚きました。坂本竜馬は生まれ
た時、背中に馬のたてがみのような毛が生えていたそうです。それはこのレメディの
特徴のひとつですし、全体像もピッタリでした。
また、Tarent.は有名な蜘蛛のレメディですが、この生き物を題材にして作曲した音楽
家はとても多く、どの曲にも共通して「強烈なペースとリズム」がみられます。
ショパンやリストが作曲した演奏の映像・音声を使い、皆さんにご紹介することが出来ました。

今月のオルガノン
§6~偏見なき観察者 The unprejudiced observer

偏見なき観察者は、感覚ではとらえることができない空想されたものには、
意味がないことを知っている。そうしたものは、経験において証明出来ないから
である。こうした注意深い人物がどんなに鋭い目で観察しても、一つひとつのす
べての病気に関して知ることができるのは、外部から感覚によって識別できる心身状
態の変化だけ、つまり病気の徴候・現象・症状だけである。それはつまり、今、
病気である人が、かつての健康から逸脱した状態のことである。
こういう状態は、患者自身が感じるものであり、周囲の者たちにもわかるものであり、
医師が患者において観察するものでもある。こうした観察可能なすべての徴候によって、
心身すべてにわたる病気が示される。つまり、こうした徴候は、真に唯一であると考え
られる病気の形態を生みだす。

2月21日(荻野千恵美講師)

いよいよ、1年次最後の授業となりました。
この1年間で、30個のレメディを深く深く学んできました。
ホメオパシーの原理についてもオルガノン、ケントを中心に、最も基本の部分は学びました。
今回は、これらの総まとめとして、講師が実際に経験した3歳の子供のケースをご紹介しました。
クライアントさんのご好意でご本人にも登場してもらうことができました。
子供の表情や態度。出している症状。そしてお母さんの話。
レメディを示唆する特徴的な症状と共に、その子全体の醸し出すエネルギー。
それらを、矛盾なくカバーするただ1つのレメディを見つけるのは大変です。

生徒さんたちは、ケースを考える初めての経験に、クラスメートと話し合い、マテリアメディカを
広げ、レパートリーを繰り、ちょっとしたとまどいもあるようでした。
でも、まだ、ホメオパスを目指して学び始めて1年の人たちにしては、レパートリーの使い方にも
ずいぶん習熟されているのには、講師もびっくりでした。

CHKでは、セッションをしてから、ただ1つのレメディにたどり着く
までの「プロセス」のひな形を生徒さんたちに提示しています。
これを土台に、3年次を卒業する頃には、しっかりとしたプロセスを
踏んで、クライアントさんにきちんと向き合えるホメオパスとして
やっていける力をつけて頂くことを目指しています。
簡単ではないけれど、なんとかできそうだと思いました。
そんな手ごたえを感じることのできる、
1年次最終日の授業となりました。