今月の活動

2009年11月講義(1年生)

11月21日(野村講師)

前半3時間は先月の国際セミナーの復習です。国際セミナーの内容は1年生には理解しにくかったところもありましたので、しっかり振り返ることで、その内容や知識を定着させ、誤解の無いようにするためです。

後半の授業の内容は、「シングルレメディ(レメディは同時には一種類しか投与しないこと)」と、「ミニマムドーズ(最少投与)」についてです。これらはクラシカルホメオパシーを最も特徴づけている点でもあります。

今月のオルガノン
§273
ホメオパシーの治療においては、どんな場合でも一度に一個より多く、二種類以上のレメディを患者に使用することは決して必要のないことであり、そうするだけですでに許されないことである。
十分に知られたレメディを一度に単一のものだけ処方することが、それより多く処方することよりも自然にも道理にも適っているだろうか、という疑問が少しでも湧く余地があることなど考えられない。
唯一真なる単純な医術でもあり、唯一自然に適った医術でもあるホメオパシーでは、二つの異なったレメディを一度に服用させることは、決して許してはならないことなのである。

このように、ハーネマンはオルガノンにおいてレメディの複数投与を強く戒めています。
生徒の皆さんには、なぜ単一処方でなければならないのかについて考察していただきました。どのような問題においても、解決手段が複数考えられるときには、それらを同時に実行すると混乱に陥るだけでしょう。ましてや人間の身体に関わることですから、レメディの投与は慎重になるべきです。一種類ずつ「処方」しながら、起きてくる状況に対処していく、これが最も安全かつ実際的な方法です。

今月のオルガノン
§276
以上の理由からレメディは、たとえホメオパシー的に適っていても、多く与えすぎて強烈になれば必ず害を及ぼす。実際、選んだレメディがホメオパシー的に適していればいるほど、そしてより高いポテンシーであればあるほど、一層害を及ぼす。
しかも、病気の状態とは無関係に非ホメオパシー的な薬を大量に投与されたどんな場合よりもはるかに大きな害をもたらす。その被害は、ホメオパシー的に適切に選ばれたレメディを過剰に与えると、とりわけ頻繁に反復して投与したときに概して大きい。患者の生命を危険に陥れることも珍しくない。それどころかほとんど病気を治療できないようにしてしまう。
過剰に投与したホメオパシーのレメディが患者に作用すると、もちろんレメディは根源的生命力の感覚から自然の病気を消し去り、患者はその瞬間からもはや本来の病気に苦しむことはない。しかし、レメディによって引き起こされた、いっそう激しくなるだけの全く類似した病気によって、患者は今まで以上に重疾患になる。レメディによる病気を再び根絶させることはこの上なく難しい。

ハーネマンは高いポーテンシーの頻繁で大量の投与が、非常に危険であることを警告しています。
ポーテンシーが30Cや1Mならレメディの重さは限りなく0グラムです。ハーネマンの言う「レメディの大量投与」とはいったいどういう意味なのかについて考えていきました。

クラシカルホメオパシーでは、高いポーテンシーのレメディを短期間で反復投与することは決してありません。レメディで人を傷つけてしまっては本末転倒だからです。

11月22日(荻野千恵美講師)

今月のレメディ学習は、Anac.(アナカディアム)Kali-c.(炭酸カリウム)Chel.(ケリドミウム)です。

アナカディアムの一般名は、マーキングナッツ。アジアの森林地帯に生育する低木です。この果実の種子はカーシュナッツ同様、熟してくると心臓の形をした種子が果実の外に出てきます。アナカ-ディアムが適合する人は心の中に分離感をもち、葛藤に苦しみます。劣等感を持ちやすく、病的になると冷酷さや残忍さがでてきます。

Kali-c.は、炭素とカリウムの化合物。
先月、国際セミナーで学んだ周期律表がレメディの理解の助けとなりました。炭酸カリウムは、昔は木灰を濾過して作りました。カリウムは「根」を育てるための肥料となります。地に足をしっかりつけ、家族や会社の仲間を守っていこうとする人たちです。

Chel.(ケリドミウム)はケシ科の植物。小さく黄色い花を咲かせます。右側に症状が出やすく、Lyc.(ライコポディウム)と区別しにくいレメディですが、より現実的で実践的なタイプです。

(写真はアナカディアムです。)