今月の活動

2012年4月講義(3年生)

4月14日(土)渡辺広講師

前半の4時間は、3年生初めての病理症候学の授業をしました。

渡辺講師は、初心者のうちはお受けしない方が良いケースなどについて、具体的に解説して行きました。特に緊急性のあるものや器質的変化の起きているケースは難しいことを理解してもらえたと思います。
翌日、生徒さん達からは、とてもまとまっていて分かりやすかったとの感想がありました。その一方で、これまで気楽に考えていたのがちょっと怖くなったという意見もありました。
とても素直でまっとうな受け取り方をしてもらえたことをうれしく思いました。ホメオパスには確かな基本に裏打ちされた自信も大切ですが、それよりも人に対する謙虚さを求められものです。

後半の2時間は、ホメオパシー哲学についての講義でした。今回は生徒さん一人ずつに、最終学年を迎えた今の状態・疑問点を聞いて丁寧にお答えしました。その中でオルガノンなどに触れて行きました。
皆さんからは、卒業に向かっての静かな意欲を感じることが出来ました。

4月15日(日)荻野千恵美講師・野村講師

ケース学習をしましたが、いつものように、事前にオルガノンを学びました。
該当箇所の§61~§70は、いくつかある療法を具体的に比較する中で、ホメオパシーがどのようなものなのかについて、具体例を通じて述べている点です。
そして§70では、これまでの全体をまとめています。ハーネマンは、この§70までに類似療法について、多くの文献や同時代療法家の臨床経験をもとに実証的に述べています。

ケース学習は、比較的やさしいものを選びました。3年生以降は、スーパーバイズ(講師が指導に付いてセッションしてレメディを決める実習)が始まりますので、その導入になるような講義を心がけました。

クライアントさんから、どのようにお話をお聞きしたら良いのか?
そのケースをどのように受けとめて行くのか?
どのようにシングルレメディにたどり着けば良いのか?

その具体的な取り組み方を、講師の経験をシェアしながら伝えて行きました。

恐らく、生徒の皆さんは道筋が見えて来て自信がついたのではないかと思いました。

最後に、野村講師からコンピュータレパートリーの使い方を説明して、終了しました。
コンピュータレパートリーは道具にしか過ぎませんが、シングルレメディにたどり着く際にとても役に立つものだということを伝えました。

オルガノン要約(§61~70抜粋)

§63 一次作用:ポーテンタイズされたレメディが最初に起こす健康状態の変化。これを引き起こすのはレメディのエネルギーである。
二次作用:レメディのエネルギーとは反対の方向に自分の力を向けようとする生命エネルギーの努力。生命維持のために働く自発的行動。(逆作用)

§64 生命エネルギーはまるで無理やりに外部からの人為的なエネルギーを受け入れ、自分の状態を変化させる(一次作用)。その次に自分をいわば再び奮起させる。その奮起には二通りの状態がある。
A)一次作用と正反対の状態を生み出す場合=逆作用・二次作用
B)     〃     生み出さない場合。レメディによって生まれた変化を消し去ることによって自分の優位性を発揮しようとしている。そして本来の仕事に生命エネルギーは再びとりかかる。(二次作用・治癒作用)

§66 しかし、”微量な”レメディを投与した時には、逆作用・二次作用を健康な身体に認めることはできず、正常な状態に回復するのに必要なだけの逆作用しか生じない。(治癒作用)

§70 
ここまで(§1~§69)の総まとめ