今月の活動

2011年8月講義(1年生)

8月20日(土)野村講師

講師としては、この学年単独の講義は始めてだったので、改めて自己紹介をお願してから講義を始めた。
個々人の「趣味」を語って頂き、その人が、何をしている時に、一番自由でいられるか?について確認してみた。
趣味について確認することは、個人セッション時には、とても大切なヒントになることが多い。そのことを知って頂く意味もこめて多少時間をかけてみた。

講義内容は、症状の総体(全体像)とSRPである。オルガノンでは、81章と153章が、該当箇所になる。
この2つの§でハーネマンが述べていることから、ホメオパシーの目的は人を『個別化』することであり、アロパシーなどは『一般化』であることを充分に理解できたと思う。

オルガノン(要約)

§81の註2
真の療法家は病名ではなく、クライアント一人ひとりの固有の徴候の余すところのない総体(全体像)をみなければならない。それは正確でなければならず、憶測で決めてはならない。病の中には変化のない固定的なものは存在しない。

§153
SRP(奇妙な、特有の、異常な、まれな、特徴的症状)だけに目を向けても良い。ありふれた症状は注目には値しない。特徴的な症状に注目すること。

8月21日(日)荻野講師 

レメディ学習も今月で5回目に入り、レメディの勉強も進んで来た。

そこで、改めて「レメディとは何か?」について、全員に述べてもらった。皆さん本当に良く理解出来ている。

また、レメディとは何か?に関連するオルガノンの該当箇所を読んだ(§22~27)。特に§22の注で、ハーネマンは「病の状態の際は、生命力(バイタルフォース)は知性を欠く」と述べている。この点について意見交換して、レメディ学習に入った。

今月は、Nat-m.Ign. Sep. Carc.を学んだ。
共通項の多いレメディ同士だが、特徴が明確なものばかりなので、理解はしやすかっただろう。

オルガノン引用(要約)

§22 薬もレメディもある種人為的な病気の状態を作り出す。そして、類似か反対の症状を生じさせることで治癒を達成する。もちろん類似のものによってより効果は出るのだが・・・。類似でも反対でもない薬の適用の仕方がアロパシーのやり方である。
(注)生命エネルギーは病気の時、乱れを表現することができるだけであり、自らを治癒することはできない。その生命エネルギーの乱れによる表現を模倣(下剤・吐剤・瀉血など=当時のアロパシー医がしたこと)しても決して治癒には至らない。
 
§23 反対の症状を生み出すか緩和するだけの薬では、真の治癒を達成できず、より悪化して再発する。

§24 ホメオパシーのレメディは病気の総体・全体像に類似した症状を起こすことができる。多くの中からそういう一つのレメディが求められる。

§25 レメディはほとんど全ての症状を生み出すことができる。癒すべき病気の総体に類似し適切にポーテンタイズされ微量投与であれば、例外なく完治させることができる。

§26 生きている身体において二つのエネルギーが動的に作用する場合、弱い方の作用は強い方の作用によって消される。ただし強いほうの作用は、作用が現れた状態において、弱い方の作用に類似していなければならない。(自然法則)

§27 レメディが完全な治癒をもたらすためには、きわめて完全に類似した仕方で症状の総体を人間の健康状態におのずから生み出せる力を持ち、同時にその力は病気よりも勝っていなければならない。(自然法則)