今月の活動

2014年5月授業(1年生)

5月24日(土)野村講師

1年生の2回目の授業です。
今月初参加の方が2名おられたからでしょうか、みなさん、少しだけ緊張気味でした。
今月の授業は、前半に「類似の法則」、後半に「レメディとは?」でした。
例月どおり、ハーネマンが著した「オルガノン」に沿って、進めて行きました。

前半では・・・
類似の法則は、3つの療法を比較検討しながら、理解を深めて行きました。

3つの療法とは、類似療法(ホメオパシー)、逆療法(アンチパシー)、異種療法(アロパシー)の3つです。

ホメオパシー(Homeopathy)問題と似たものを用いる。
アンチパシー(Antipathy)問題と反対のものを用いる。
アロパシー(Allopathy) 問題と無関係なものを用いる。

3つの違いを仮に「失恋」で例えるならば、
類似では、自分と似たようなひどい失恋経験がある方と話をするとか悲しい音楽を聴く方法。
逆では、男ならいくらでもいるから頑張れば良いと励ますような方法。
異種では、とりあえず、美味しいものでも食べて気分を変えるような方法。

もちろん、ハーネマンは、根本的な解決には類似療法の優位性を述べています。
でも、他の療法を全面的に否定するわけでもなく、明確な根拠に基づき、具体的実例をあげながら、訴えかけています。

その判断の背景には、病とは、部分の故障が起きているのではなく、全体的な乱れであるというとらえ方が根底にあります。
命ある人間が病の状態に陥った際、何が起きているのか?を観察したら、どの療法が理に適っているのか が分かるという内容です。

生徒さん達からは、活発に質問が出て来て、とても良い授業になったと思いました。

後半の「レメディとは?」では・・・

簡単なレメディ作りの体験を交えながら、進めました。

こちらの授業も、生徒さん達から、活発な質問が出て来て、盛り上がりました。一所懸命に質問に答えているうちに、少し先で学ぶ予定の内容にも触れる事になりましたが、皆さんの熱意に背中を押されるように進んで行きました。

レメディとは?を本当に理解するためには、ホメオパシー全体の理解が必要ですから、皆さんに先に先にと誘導されたことは正解だったのではないかと思います。

オルガノン要約(抜粋)

§26 生きている身体において二つのエネルギーが動的に作用する場合、弱い方の作用は強い方の作用によって消される。ただし強いほうの作用は、作用が現れた状態において、弱い方の作用に類似していなければならない。
(注)類似の事例列挙。

§19 病とは”健康状態”が変化したもの。治癒はその逆である。
レメディは、感覚と機能を基盤とする人間の”状態”を変化させることができるので、病気を治癒することができる。

§25 レメディはほとんど全ての症状を生み出すことができる。癒すべき病の総体に類似し適切にポーテンタイズされ微量投与であれば、例外なく完治させることができる。

§273 二種類以上のレメディを一度に投与することは絶対にしてはならない。

5月25日 荻野哲也講師

オルガノンとレメディを学びました。

オルガノンは、§1~3の冒頭から詳しく読み込んで行きました。
このセクションは、理想や心構えなど、一見極当たり前のことが記してあるのですが、よくよく考えてみると、そこにはとても深い考えがあるのが次第に分かって来るような内容です。そのことを伝えられたらと願いながら、進めて行きました。

生徒さんからは、ハーネマンはラジカルだったんだとの意見がありました。ラジカルの意味は、革新的・革命的というよりは「根本的に考えること」だと気付きましたとのご意見でした。面白い発見でした。

レメディ学習では、Nat-m.Phos.Lyc.の3つを原物質を切り口にして学びました。

Nat-m.は、映像を眺めながら、原料の「岩塩」をなめてもらいました。

Phos.は、マッチを擦りながら、花火の映像を見てもらいました。

Lyc.は、太古の想像図を眺めながら、イメージを膨らませてもらいました。

レメディを体感的に学ぶうちに、生徒さん達の内面でも色々な気付きがふつふつと湧き起こって来たようです。そういう生徒さんの姿を見ていて、講師としても、ホメオパシーは面白いと改めて気付かせてもらったように思います。(写真は現代のLyc.の姿)

オルガノン要約(抜粋)

§1 真の療法家の唯一の使命は病める人の健康を回復することだけである。

§2 理想的な治療とは、明確な根拠に則り、短期間で、無害で、速やかで、穏やかで、持続的で、全体的な回復のこと。

§3 真の療法家は次のことを明確に認識・知覚・洞察していなければならない。

A)病の認識と兆候の読み取り=個々の症例で何が療されるべきか?について
B)レメディの治癒力に関する知識=個々のレメディの治癒力について知る
C)レメディの選択と適用とその正しい利用法=投与量と反復方法について知る
D)治癒を妨げているものは何か。それらをどうすれば取り除けるのか。