今月の活動

2014年5月授業(2年生)

5月17日(土)荻野千恵美講師

今月のオルガノン学習は§67~70でした。
この単元は、アンティパシー(逆療法)とホメオパシー(類似療法)との比較から、アンティパシーの限界を述べています。
アンティパシーは、救急時には大きな力を発揮しますが、これを長く続けてしまうとやがて弊害が起きて来るのです。そのことを丁寧に解説しています。例えば強い鎮痛剤を使い続けると、最初は良くてもやがて作用しなくなってしまいます。

レメディ学習は、Lil-t. Verat. Naja.の3つです。

いずれもとても個性的ですが、それだけにこの世では比較的生きにくいタイプです。
Lil-t.Verat.は、ユリ科の代表レメディで、共通の感覚~押し出される~があります。疎外感と同時に罪悪感もあり、宗教との関係を持ちやすくなります。

Naja.はヘビ科の代表レメディで、「自分は酷い目に遭っている」というヘビ特有の思い込みを強く持っています。二面性が特徴で、家族への義務や責任を感じていますが、同時に自分を酷く扱う人への悪意との間での心の葛藤があります。

生徒さんからは、自分の知り合いに、ユリ科のレメディにピッタリの人がいるとのお話が出ました。よく確認をしたところ、本当にそのレメディにかなり似た方だと分かりました。その人物像がとてもリアルで、みなさんのレメディの理解が進んだと思います。

オルガノン要約(抜粋)

§67 §66からホメオパシーによる有益な治癒の経過が明らかになる一方、アンティパシーが本末転倒であることも明白である。
(注)救急医療の意義:
アンティパシーは極めて急を要する時にだけ有効である。救急的に死が迫っているときはレメディの反応を待つことはできない。緩和剤や解毒剤などを用いて、いったんは、生体を蘇生させなければならない。
(注)蘇生後はホメオパシーとアロパシーを混ぜこぜで使ってはならない。

§68 レメディは非常に微量であるので、治療後にレメディの影響が残っていてもすぐに消える。生命エネルギーは病的な撹乱が消滅した後はあまり努力する必要がない。

§69 アンティパシー薬による反対の症状によって病を根絶しようとするが、それは不可能である。わずかな期間だけその症状を生命エネルギーに気づかれないようにするだけで、その後薬の症状と逆の状態を強制的に生じさせる。これは根絶されずに残った自然の病による撹乱状態ともいえ、必然的に激しくなり大きくなる。
逆方向を向いている緩和薬による治療では、病によって撹乱された身体の場所を占拠することが出来ない(治癒できない)。加えて、緩和薬の働きが消えると、次に生命エネルギーによって緩和薬の働きに対する逆作用も強く出てくる。
つまり緩和剤はその作用が終息した後にいっそう症状が悪化し、投与量が多くなるほどますます悪化する。

5月18日(日)前半/荻野哲也講師

健康観について、皆さんに改めて投げかけてみました。
クラシカルホメオパシーの専門家にとって、この健康観は土台のようなものです。
ここがしっかりしていると、クライアントが、本来の健康な状態から、いかにずれているのかが分かります。健康観のキーワードは、通常よく言われている「バランスが取れていること」ではありません。そのことについて、改めて考えて頂きました。

後半/野村潤平講師

Caseの受けとめかたについて学びました。

実際のCaseでの受けとめ方について、病の状態の捉え方について、あるYouTubeのビデオの人物をつぶさに見ながら、一緒に考えて行きました。人の何に注目して、それをどう受けとめて行くのか?
ホメオパシー学習対象になる材料は、私達の身の周りにいっぱいあります。
ホメオパシーの視点でこの世を眺めてみると、ごく普段の生活や人物が何倍も興味深く魅力的に感じられ、日常がより面白いものになって行きます。