今月の活動

2012年11月授業(1年生)

11月17日(土)野村講師

授業の前に生徒さんから質問があり、それに対して充分な時間を掛けてお答えました。

その後、先月開催された国際セミナーの復習をしました。
特に今回は、ホメオパシーの学習で、最も理解が難しい「マヤズム」の講義が含まれていましたので、そこを重点的に振り返って行きました。
特に生徒さんが一番誤解を持ちやすいハーネマンのマヤズム論と現代的なマヤズム論の違いについて解説しました。

それを踏まえた上で、今月の講義「慢性病と急性病」に入りました。
これは、ハーネマンのマヤズム論の入口にあたる箇所ですのでかなり時間を掛けて丁寧に進めました。

9月にも、このテーマで導入的な講義をしていますので、1年生の段階で、かなり深い内容にまで、進んで行くことになりました。理解出来ているか心配していましたが、後で確認すると大丈夫なようで、安心しました。

オルガノン抜粋(§要約)

§72 人間の病には二つある。
A)急性病:病的進行が速く、適度に短い期間で病の進行を終える。
B)慢性病:初期の段階では目立たず、少しずつ健康を蝕んでいく。
生命エネルギーは病に対して不完全で不適切で無駄な抵抗を企てるだけで、自分のかかった病を独力で消滅させることはできない。最終的に身体が破壊されるまで異常な状態にする。
この病は慢性マヤズムを通じてダイナミックな感染によって発生する。

§78 慢性マヤズム:
真の慢性的な病とは、”慢性マヤズム”から生じる。
これを放置したり、それに対応するレメディを使わなければいつまでも悪化の一途をたどり、心身両面から最高の養生をしても悪化は進行し、死ぬまで人を苦しめる。
本当の慢性病は人類を苦しめる最大無限の拷問である。どんなに元気で頑強で正しい日常生活を営んでもこの病を根絶することはできないから。

§79 慢性マヤズムの病
SYPHILIS:不治の病として死とともに消えると思われてきた。
SYCOSIS:これも不治の病だが、皮膚の腫瘍を破壊するだけで治癒したと考えられてきた。

§80 乾癬マヤズム(ソーラ又はプソラ/PSORA)
上記の2つよりも計り知れないほど蔓延し、はるかに重要なマヤズム。
プソラは身体全体が完全に内的に感染した後になって初めて特有な発疹が出る。
プソラはほとんど全ての数え切れない病を生み出す真の根本原因である。

§82 ホメオパシーはプソラに対して療すべき多数の病のもつ本質に近づいた。しかしこれからも慢性病の診察可能な症状とその特性を注意深く理解していかなければならない。
真の療しはそれぞれの症例を厳密に特有の処置(個別化)をすることから始まる。
急性病の場合は、おのずからほとんど全ての情報が提示される。
慢性病の場合は、症状を見つけ出すことさえ困難である。

11月18日(日)栗乃講師・國枝講師

今回から、新しく講師になった2人が協力しながら授業の進行をしました。

最初に、栗乃講師が、オルガノンの講義をしました。
かなり事前に準備をしたかいがあり、生徒さんからの厳密な質問にも答えていました。
今回は、細かく解説しすぎたきらいがあったので、次回以降は、大きな論点からも外れることがないように工夫して進めて行く予定です。

img25fa7885bf97a3b844ec2レメディ学習は、基本的に國枝講師が担当しました。
(写真はLyc.)

始めての授業だったせいでかなり緊張感が漂っていましたが、大切な点は伝えることが出来ました。2人とも、今後次第に慣れて行くと思います。

オルガノン抜粋(§要約~抜粋)

§30 したがって人間の身体を変化させる力は、自然の病よりもレメディの方が強い。
§31 罹病性について:生命にとって敵対的に働くもの=病的な有害因子。
有害因子を受けやすい傾向と素質があるときにだけ病になる。無条件にすべての人が病になるわけではない。罹病性=「Susceptibility」

§32 レメディはどんな人間をも無条件に人為的な病の状態にする(感染させる)ことができる。

§33 自然の病気=ある条件下で感染する。レメディの病=無条件に感染する。
(注)しょう紅熱の「予防」としてBell.を用いて効果があった。つまりレメディのエネルギーは人間の生命エネルギーを変化させる強い力を持っている。

§34 レメディが効果を発揮する条件:
   A)治癒すべき病気に限りなく類似していること。
   B)その病気よりも少し強いこと。