お知らせ&更新情報

2017年2月授業報告(3年生~上級コース)

Chel.画像1

2月4日(土)5日(日)

今月は、「先月のレメディの復習」「オルガノン§172~184」「今月のレメディ学習3つ」「ケース学習」を学びました。最後に、「上級コースの修了式」をして、無事今年度の全授業を終えました。(画像は、Chel.)

 

「今月のレメディ学習」

今月は、Mag-c.Chel.Hell.を学びました。

Mag-c.の原料からのレメディ像がハッキリしないので、授業では古典的ケース(乳児の例)の紹介から入りました。

子供の排便の色や状態が非常に特徴的。もの言えぬ幼児のレメディ選びは、様々な観察によって分かってくるものです。このケースは、かなり古い文献を元にしています。
「しばらく下痢が続き、便は時々緑色。酸っぱい臭いがして、時々腐敗臭を放つ。そして便通の前に泣く。」ホメオパシーのマスターたちは、これだけの情報で、レメディが分かったのです。
約100年前に活躍したアメリカ人ホメオパシー医ケント博士は、Mag-c.を「孤児のレメディ」と表現しました。親の愛情を充分に受けることが出来ないか、喧嘩の絶えない両親のもとで育った子供にしばしば使われてきました。特に喧嘩に敏感で、感情的に不安定で気難しく、学習に集中出来ない子供がその典型的なタイプです。身体的には、消化器に不調が現れやすく、特にミルク不耐性で下痢をする乳児に良い。酸っぱい・緑色の・泡が混ざるような便。腹部や腸の疝痛、鋭く刺すような、身体を折り曲げずにはいられない痛み。・・・こういう症状像を持っています。女性では、生理は夜のみ流れるという風変わりな特徴があります。
Chel.は肝臓と関係が深く、クサノオウという黄色い花が特徴の植物から調整されるレメディです。
肝臓に問題がある時、人の皮膚は黄色くなります。担当講師も肝臓の不調を経験したことがあり、このレメディ特有の症状がよく理解できます。右側の症状。黄疸。そして、身体全体の倦怠感。右肋骨下及びその背中に広がる痛み。ホメオパシーでは最も著名な右側のレメディLyc.と非常によく似ています。古い文献には、Lyc.を使っても改善しない時にこのレメディを考えると良いと記してあります。精神面では、この2つは真逆の性質をもっています。Lyc.は、内面では自信がなく臆病ですが、外面は横柄な態度を取って虚勢を張ります。Chel.は自信があり果断に行動する力強さがありますが、行動後に良心の呵責を感じます。

 

Hell.はキンポウゲ科のクリスマスローズから調整されるレメディです。
画像での紹介から始めましたが、その姿からはうなだれたような姿と陰鬱で黒っぽい感じを受けます。
多くの場合、脳へのダメージ(脳振盪など)があった後に使われます。生命力が低く重篤な病の状態で患者の周辺全てが暗く見えるような場合に適用されます。精神と脳に強く影響を受け、感覚が鈍く反応が緩慢になっています。見ること、聞くこと、味覚が不完全。見えてはいるが、聞こえているが、あるいは味わってはいるが、その感覚を脳では認知できないような場合に適用されます。本人は頭がからっぽの感覚を訴えるかも知れません。本人には、その感覚はとても辛いようで、まるで地獄(Hell.の名前の通り)にいるような感覚を持つと言われています。通常キンポウゲ科のレメディたち(Puls.やStaph.など)は、いずれも神経むき出しのような敏感さを持ちますが、唯一、Hell.だけは、真逆の傾向(感覚鈍麻)を持っています。

 

 

「上級コース(3年目)修了式」
授業終了後、一人一人に修了証を手渡ししました。順番に今年度を振り返った上で、今後の抱負を述べてもらいました。皆さん、来年度に向けてもこれまでと変わらない意欲を表明されました。