今月の活動

ARGENTUM NITRICUM Arg-n. アージニット 硝酸銀

嵯峨野

明けましておめでとうございます。みなさんは、どのようなお正月を過ごされましたか?

CHKの荻野千恵美です。

我が家のお正月は、独立して出ていった子供たちや孫たちが帰省し、久しぶりに家族がそろう時間となりました。初詣には、元旦には徒歩で行ける三井寺に、2日には、これも電車ですぐの石山寺に、皆でお参りしました。帰り道にある甘味処「茶丈藤村」では、瀬田川を眺めゆっくり出来ました。

正月も三ヶ日が過ぎ、再び、夫婦二人に戻ったとき、あらためて今年は新たなメッセージをお送り出来たら・・・などと話し合いました。

アイデアの一つとして出てきたのが、CHKサイトの「レメディの使い方ABC」の第二弾をスタートするのはどうかということでした。
「レメディの使い方ABC」は、15年前に京都に来たばかりの私たちが楽しんだ京都のあれこれと始まったばかりのCHKの学校生活、そして「基本講座」に登場するレメディ達を3年かけてご紹介しました。

レメディの使い方ABC

第二弾は、今、私たちが住んでいる滋賀ライフのつれづれと、専門コースで勉強しているレメディ達をご紹介していきたいなと考えています。
まずは、去年の11月、1年次で勉強したレメディについて、ご紹介していきたいと思います。

ARGENTUM NITRICUM Arg-n. アージニット 硝酸銀

このレメディの原材料は、硝酸銀(AgNO3)です。

硝酸銀は、中世の錬金術師達からルナコースティックと呼ばれ、傷の焼灼に使われてきました。Lunaというのは、ラテン語で「月」という意味、Causticは焼灼薬という意味があります。
硝酸銀は、鏡の裏張りにも使われてきました。

授業では「月」「鏡」という言葉から立ち上がるイメージをみなさんに出して頂くことから始めました。

出てきたイメージは?

エネルギー。パワー。芸術的。怖い。果てしない。ほの暗い。映し出す。反射してまぶしい。呪術的。女性的。冷たい。神秘的。自分の世界。やさしい。月明り。

次に、これらのイメージから浮き上がる「苦しみって?」「どのような病的な辛さ?」という質問をしてみました。

敏感。不安定。繊細。つかみどころがない。怖い。衝動的。神経質。想像力。創造力。光や音などささいなことで眠れなくなる。

インドのホメオパシー界の巨匠Dr.サンカランは、このレメディのテーマを「突然の危機や危険におけるパフォーマンス」だと表現しています。

危機的な状況に一人で追い込まれたとき、その人の心の状態は?
それは恐怖心と次々に膨れ上がるような空想・妄想です。

Arg-n.の人は、いろんなことを恐れます。
人込み。街路。一人でいること。舞台に上がること。遅刻すること。閉所・高所。何かを引き受けること。失敗すること。

ああなったらどうしよう。こうなったらどうしよう。様々な空想を膨れ上がらせ、自分で自分をパニックに追い込みます。

予期不安から様々な病気を発症させます。行動は衝動的で、あわただしく、急ぎます。

身体的には、消化器系の症状を多く出します。ガスがたまりやすく、張り裂けそうになります。そして、破裂音のようなゲップをしたり、下痢をしたり。上から下から噴出します。まるで、膨れ上がった恐怖心が限界まで来て、破裂するかのような・・・。

頭痛もうっ血性の、頭に何かがぎっしり詰まったような感覚があり、頭を圧迫したり、きつく縛ると楽になります。そして、最後には嘔吐して終わるような経過をたどります。

慢性的な喉頭炎や嗄声、声を失うなど、喉にも症状を持ちやすい人です。歌手や俳優さんなどスポットライトを浴びるような職業の人が声が出なくなり休業宣言をしたりするのを聞いたことがありますが、そういった状況のレメディでもあります。

このレメディは、「月」のイメージと重なりますが、月は夜の暗闇の中で、太陽の光を浴びて光るパフォーマーでもあります。楽屋での破裂しそうな緊張感のあと、舞台に立って爆発的なパフォーマンスを見せる俳優や歌手かもしれません。

甘いものや砂糖には縁が深く、大好きなのに、それによって体を痛める人でもあります。

1年次の授業では、レパートリー(レメディ検索辞書)を引き始めたばかり。
今回の授業でも、Arg-n.についての恐怖の項目や予期不安についてのルブリックス(ホメオパシー的な症状表現)を探してみました。

MIND; ANTICIPATION 予期不安
MIND; AILMENTS from; fright or fear 恐怖からの発症
MIND; FEAR; examination, before 試験前の恐怖
MIND; FEAR; failure, of 失敗の恐怖
MIND; FEAR; high places 高いところの恐怖
GENERALITIES; WEAKNESS, enervation, exhaustion, prostration, infirmity; sudden; fear, from 恐怖から突然、衰弱する

レパートリーを引き始めると、似た症状を持つレメディとして、Gels.(ゲルセミウム/イエロージャスミン)が頻繁に出てきます。
このレメディも、予期不安のレメディです。基本講座などでは、試験前に適したレメディの一つですとご紹介しています。試験前の不安な時にどちらも使えるのですが、不安な状況に向き合っているという状況は同じですが、反応は、真逆です。

Arg-n.はそわそわ、落ち着かないのですが、Gels.はプレッシャーを前に脱力してしまったような人に良いレメディです。
Gels.は、不活発で麻痺してしまったような反応をします。原物質も、春に黄色い花を咲かせるツル性の植物です。インフルエンザや風邪で高熱をだして、動けなくなった時にもよく使うレメディでもあります。