今月の活動

2012年12月授業(1年生)

12月15日(土)荻野千恵美講師

今月のオルガノン学習は、§35~§42を精読しました。
オルガノンを学んでいると気がつくことがあります。この本は一見難しくとっつきにくい感じがしますが、丁寧に読んで行くと、とても実証的で理路整然と記してあることに気付きます。特に今回の単元を読まれたら多くの方がそう感じるのではないかと思いました。

レメディは、Sil. Thuj. Caust.の3つを学びました。いずれもハーネマンが自らのインスピレーションに基づき、プルービングしてレメディとしたものです。共通項はいずれもSycoticマヤズムのものだということです。

レメディのエネルギーを感じる時間では、どの生徒さんもとても良いイメージが描けていました。3つのレメディの質感を充分に体感出来たと思います。これらは非常によく利用されるレメディばかりですから、将来、役立つことでしょう。(写真はThuj.)

オルガノン要約~抜粋(§35~42)

§35 類似していなければ治癒されないことを説明する事例を3つ述べる。それらから以下の二点を考察する。
A)互いに類似していない自然の病が同一の人間に併発した場合(3パターン)。
B)不適切なアロパシー薬を使ったら、人間に何が起こるのか。

§36 A-1)古い病が強い場合=新しい病は駆逐される。

§37 Bについて:
慢性病はいつまでも治らないしむしろ悪化する。これはあまりにも日常的に目にしていることなので、説明の必要すらない。

§38 A-2)新しい病の方が強い場合=古い病の進行は遅くなり止る。ただし新しい病が収束するか治癒されると古い病は治癒していない状態でふたたび現れる。(多数の事例)
§39 互いに類似していない病は他方の病を治癒することはできない。(多数の事例)
従って、アロパシーの薬を長く使い続ければ、古い病に新しい病的状態を加えてしまうだけである。

§40 A-3)新しい病が長期間身体に影響を及ぼした場合=類似していない古い病に加わり、一緒になって複雑な病を形成する。
それらは自分の取り分になる器官をそれぞれ占拠する。患者は病が重くなる。
しかし、類似していない二つの病が並存した時、相手を互いに取り払って治療することはできない。(多数の事例)

§41 非常に頻繁に起きていることは、アロパシーによって不適切な薬を長期間使い続けたために、新しい病気が加わり複雑化した状態である。
二重の病になり重症化し治癒できなくなることもある。
(多数の事例)

§42 自然の病が二つ、三つの自然の病を同じ身体に同時に発生させることがある。これは類似していない病の場合だけである。

12月16日(日)荻野講師

前日学んだ3つのレメディの復習を導入にして講義を始めました。
それぞれのレメディがどのようにSycoticマヤズム(内面的弱さ・隠蔽傾向・過剰感)の傾向があるのかを確認して行きました。マヤズムの観点から見直すことで、3つのレメディへの理解度はより深まったと思います。

今月は基本原理を学びました。

前半は、シングルレメディ・ミニマムドーズについてです。
これは、ホメオパシーの大原則ですが、日本のホメオパシーの世界では必ずしも実施されていません。このあたり、生徒さんたちがどのような考え方をしているのか心配でしたが、十分理解出来ていると思いました。皆さん、誰が考えても極当たり前のことをやっているだけだということを理解していました。

この大原則について、具体的な実例をもとに演習をして、他の療法と比較しながら理解を深めました。ホメオパシーはその人まるごとを癒すことを目指していますから、その人の中心(生命力の乱れは1つしかない)を癒すことが最適な方法であることを再確認できたと思います。

後半はサセプティビリティに関連する概念として、ポラリティー、モダリティー、エキサイティングコーズ・メインテニングコーズ、の基本概念を学びました。

最後に、レパートリー練習をしっかりして終わりました。
トレーニングが始まったばかりなのに結構早く引く人がいるので驚きました。来年の今頃は、相当進歩しているいるだろうと思います。