今月の活動

2013年12月授業(1年生)

12月14日(土)荻野千恵美講師

授業前には、通信生の方から、たくさん質問を頂きました。
いずれも本質的な質問でしたので、全員にとって、とても有意義な時間になりました。

授業前には、いつものようにオルガノンから始めました。
今月は、§46~51の単元です。
ここは、ハーネマンが、自然の病について綿密に観察した結果「類似の法則」が確かなことであることを述べているところです。
文献や臨床観察から、病に罹っていた人が、別の似た病に罹ったおかげで治癒していたことをつきとめたところです。

レメディ学習は、Carc. Med. Tub.の3つです。

いずれも、Nosodesと呼ばれるレメディ達です。
特に、Carc.は、現代管理社会で多くの方に見られる強い自己抑制傾向のある方にマッチするレメディです。
不思議ですが、最近は、生まれて間もない子供にもこの強い自己抑制傾向はよく見られます。
良い子であり過ぎる病です。
時に切れるように爆発してしまいます。
強すぎる抑圧から色々な不調につながってゆきます。

オルガノン要約(抜粋)

§46 自然の病の中でも天然痘は際立って類似の法則にしたがって多くの病気を取り払い治療する。天然痘、牛痘、麻疹のそれぞれが、類似した病を克服する事例多数。

§48 自然の病であろうと、レメディであろうと、病に対して類似していて、且つ少し強いだけで治癒させることができる。=「自然法則」

§49 ホメオパシー的に治療する病が自然界にもっとあれば、本物の自然治癒の例をもっと見ることができただろう。

§51 自然の病による治癒は偶然だが、人間は多くの自然の物からそれらを利用できる。全ての自然の病に対してレメディは可能な限り様々に作用する。
レメディのエネルギーは治癒が終わったあとには生命エネルギーによって打ち負かされ、おのずから消失する。

12月15日(日)

前半は、前日のレメディ学習の続きをしました。

野村講師

後半に、「慢性病と急性病」について学びました。

オルガノンの該当箇所を読みながら、理解を深めました。

病を急性と慢性に分類して、深くその意味を考えたのは
ハーネマンの卓見だと思います。

この学年のメンバーは、オルガノンに馴染みやすく、
本文を読み進めるに従い、自然に理解が深まって行くようです。

ハーネマンの治癒のプロとしての真摯な姿勢が、彼らにまっすぐ響いて行くのを感じます。
この期のメンバー全体にプロマインドを持ち合わせた人が多いのでしょう。

[i]オルガノン要約(抜粋)

§72 人間の病は二つある。
A)急性病:病的進行が速く、適度に短い期間で病気の進行を終える。
B)慢性病:初期の段階では目立たず、少しずつ健康を蝕んでいく。
生命エネルギーは病気に対して不完全で不適切で無駄な抵抗を企てるだけで、自分のかかった病気を独力で消滅させることはできない。最終的に身体が破壊されるまで異常な状態にする。
この病気は慢性マヤズムを通じてダイナミックな感染によって発生する。

§73 急性病:急性病には二つある。
・・・

§74 医原病:
アロパシー療法によって作用が激しく英雄のように戦う薬を増やしながら大量に投与され続けることによって起こる。これも慢性病のひとつと見なさなければならない。
アロパシー薬に対して生命エネルギーは、生命を維持するために身体の体制を変えなければならない。そうして身体の内側と外側のいたるところに欠陥が生じる。部分的に膨張・収縮・弛緩・硬化・破壊などの奇形化対応によって生命が破壊されることから守っている。

§76 本来、ホメオパシーはアロパシーによる病ではなく自然の病から人間を救うものである。

§78 慢性マヤズム:
真の慢性的な病とは、”慢性マヤズム”から生じる。
これを放置したり、それに対応するレメディを使わなければいつまでも悪化の一途をたどり、心身両面から最高の養生をしても悪化は進行し、死ぬまで人を苦しめる。
本当の慢性病は人類を苦しめる最大無限の拷問である。どんなに元気で頑強で正しい日常生活を営んでもこの病気を根絶することはできないから。

§79 慢性マヤズムの病
SYPHILIS:不治の病として死とともに消えると思われてきた。
SYCOSIS:これも不治の病だが、皮膚の腫瘍を破壊するだけで治癒したと考えられてきた。

§80 PSORAマヤズム(ソーラ又はプソラ)
SYPHILIS、SYCOSISよりも計り知れないほど蔓延し、はるかに重要なマヤズム。
プソラは身体全体が完全に内的に感染した後になって初めて特有な発疹が出る。
プソラはほとんど全ての数え切れない病気を生み出す真の根本原因である。

(注)プソラを探求し、抗プソラのレメディを見出すのに12年費やした。
抗プソラレメディ(プソラから発生した慢性病に対する特殊なレメディ)を適用できれば、完全な治癒を達成できる。

§81 この感染症(プソラ)は数百世代にわたり少しずつ受け継がれ、広範囲に無数の病の形をとって蔓延した。こうして生み出されたものには別々の病名がつけられた。

(注2)
異なった病に対して、通常医学ではやたらに曖昧な名前をつけて画一的に理解し、画一的な治療をしている。つまり本質的に異なる病に対して同じ治療をして来た。